「日詠先生・・・・??」
傍に居て欲しいと思っているのは自分のほうだ
そう言いたかったのに、体が先に反応してしまう
いくら口下手とはいえ、抱きしめるとかはダメだろう
わかっているけど、でも、腕の中にいる彼女を今すぐには放してやれない
『わかったから、もうそれ以上言わなくてもいい。』
傍にいて欲しい
それを伶菜に言わせてはダメだ
俺に甘えてしまうという想いを抱かせてしまうから
伶菜が自分の傍にいること
それは俺にとって彼女の甘えなんかじゃない
『今度こそ、行くぞ、”俺の家” に・・・』
伶菜が自分の傍にいること
それは
俺がずっと願っていた本望だから
俺の腕の中にいる今の伶菜に
妹という立場の彼女に
それがちゃんと伝わるだろうか?
それとも、それは兄妹という関係である今は
伝わってはならないことなのだろうか?