そして、焼きたてのメロンパンと無事に対面を果たした日詠先生は本当に嬉しそうな顔をしていた。
「温かいうちにに食べちゃおうか。」
『そうですね。』
「じゃあ、それ、下さい!!!」
日詠先生は祐希を横抱きしたままベンチに座り、私が持っていた袋からメロンパンを出すように左手を差し出した。
メロンパンを受け取った日詠先生はそれをじっと見つめた後に、抱っこされたまま眠ってしまった祐希にメロンパンのカスを落とさないように慎重に食べていた。
「美味っ!」
そう声をあげながら少年のような人懐っこい笑顔を見せる日詠先生。
病院では涼し気な大人な表情しか見たことなかったからなんか新鮮。
もっとこの笑顔を
もっと傍で見ていたい
それは私の我儘かもしれないけれど
どんな形であれ
やっぱりこの人の傍にどうしてもいたい
『先生・・・・』
「ん?」
メロンパンを食べることに夢中になっていたらしい日詠先生は
今から大切なコトを伝えようとしている私に対し、軽くそう返事をした。
驚くかな?
困った顔するかな?
先生から言い出してくれたコトなんだけど、いざ、私からそれに対する返事を聞いたら、困った顔するのかな?
でもちゃんと伝えたい・・・・
『私、日詠先生と・・・一緒に暮らし、、たい。』



