「ひーえいセンセ!そんな紅い顔してると、妹さんが変な誤解とかしちゃいますから・・・」
顔が紅くなってしまうぐらい、自分の想いをはっきりと気がついた今、
平常心なんかではいられない
「今から名古屋に帰るんだけど、先生が車で伶菜と祐希を迎えに来てくれたって訳。言っておきますけど、私が日詠先生をここまで引っ張って来たわけじゃなくて、今日は私が付き合っただけなの~。ねっ、日詠センセ?」
俺自身の意志でここまで迎えに来たということを暴露されてしまったら、平常心を取り戻せやなんかできない
『・・・・・・・・・』
伶菜を大切にしたいという気持ちは
幼い頃から自分の役目からそういう気持ちを抱いていたと思っていたのに、
それだけではない自分に気がついてしまったから
でも、そんな俺に杉浦さんは現実を突きつける。
それは今から彼氏と待ち合わせをしているから、ひとりで帰るという杉浦さんを
「えっ、真里~。ひとりで帰るの?・・・ちょっと????」
『あっ、杉浦さん!!!!車で一緒に、名古屋に帰ったほうが?』
伶菜、俺ともに引き留めた時のこと。
「ヤだ、先生・・・・私にそんな気を遣わないで下さい!・・・兄妹水入らずってコトで。それに私、彼氏を東京駅で待たせてるし・・・」
杉浦さんはサラリとそう言い放ったが、兄妹ということを忘れるなと念押しされたような気がした。
伶菜と俺は兄妹の関係
それが現実
その関係を踏み外しそうな俺を
多分、杉浦さんは見透かしたのだろう
でも、伶菜自身は杉浦さんの彼氏のことに気をとられ、そういう俺に気がついてはいなさそうだ



