「じゃあ寄ってもいいかな?」
『ハイ!』
女医でも、看護師でも、OLでも何でも来~い!
お母さんは強くならなきゃいけないんだから受けて立とうじゃない!!
「なんか悪いな・・・付き合わせちゃうことになるけど。」
うわーーーやっぱり
恋人に?彼女?に会うんだ
付き合わせちゃうことになるって
まさか私のことを勘違いとかされて修羅場になったりしないよね?
しかも、祐希を連れているから勘違いされる可能性が高いんじゃ・・・
受けて立とうなんて思ってみたものの、
どうしよう・・・
「焼きたてのメロンパン、買うの付き合ってくれるか?」
『め、メ、メロンパン・・・?!』
噛むところか見事にひっくり返ってしまった私の間抜けな声。
「そう、メロンパン。海老名のサービスエリアで売ってるヤツ。」
『・・・メロンパンですか?・・・知り合いとか患者さんとか、海老名在住の遠距離恋愛中の恋人に会うとか・・?その恋人は女医さんとか看護師とかOLさんとかで・・・・・あっ!!!!』
声がひっくり返るどころか、私はさっきまで自分の頭の中の大部分を占めていた勝手な妄想までも口にしてしまっていた。
それを聞いてしまったらしい日詠先生はというと、笑うのを必死に堪えている。
「そう、メロンパン。海老名在住のな!・・じゃあ、そろそろ帰ろうか。」
なんとか笑いを堪えた日詠先生は優しい笑みを浮かべながらそう声をかけてくれた。
日詠先生と一緒に帰るのをあんなに戸惑っていた私だったのに、彼のそんな顔を見た私は彼の声かけに躊躇うことなく、いとも簡単にコクリと頷いていた。



