【Reina's eye ケース22:嫉妬という名の妄想】



真里がはるばる東京までお見舞いに来てくれてから1ヶ月。
とうとう祐希は退院できる事になった。
彼女は退院当日の朝、名古屋へ戻る私達の退院準備の手伝いをするために再び東京へ訪れてくれていた。


『よし!荷物はこれで完璧!!重い物は宅急便で送って、軽い物は新幹線内に持ち込めばいいや。新幹線の指定席、取れるかな~?日曜日だしな~。』

「伶菜、コレ宅急便で送らなくてもいいんじゃない?」


真里はたった今、梱包をし終えた段ボールを指差しながらそう呟く。


『なんで?手で持って帰るには重過ぎるよ、祐希も連れて帰らなきゃいけないのに。』

「大丈夫!今にわかるわよ!!」

『・・・・・・?』


朝から祐希の治療費の支払いやら授乳やらでバタバタしていた私は猫の手をも借りたい状況だったので、彼女の手助けは本当に有難い
でも、彼女らしくない状況判断に欠ける発言に私は少々戸惑いを感じる

今にわかる・・・かぁ
でも、今日名古屋に帰るんだから、のんびり構えている場合じゃないんだけど


『真里、あのさ、やっぱりこれ、宅急便に頼んだほうがいいんじゃ。』

梱包し終えた段ボールを持ち上げようとしゃがみ込んでいた自分の頭の上で何かが近付いてきた気配を感じた。



えっ、何?
祐希が手を伸ばすとかあり得ないし

真里?





「コレ、持って行けばいいかな?」