『送信しちゃったから、もう書き直しとかできないよぉ。』
送信キャンセルができなかったことに対して私は大きな溜息を付きながら、眠りに就いた。
そして翌日、私は祐希を連れて病院の中庭を散歩していたところに突然、デニムのポケットに入れておいた携帯電話がブルブルとけたたましく震え出した。
『メール受信?』
受信ボックスを開くと、そこには、日詠先生という名前が映し出されていた。
祐希がいる病室は携帯の電波が圏外になりやすいから、念のためにメールの日時を確認したところ
『8月18日 AM4:17・・・・』
昨日の夜中、正確にいうと今朝
勤務中だったのかな?
忙しいのにメール返信してくれたんだ
そして私は本文画面を開く。
【From】 日詠先生
了解!くれぐれも身体に気をつけてな。
短いけれどなんだかあったかい・・・・
そんな返信メール
『保存しなきゃ!!!!!』
他のメールに紛れてしまうのが嫌だと思った私は、このメールが受信ボックスの中で行方不明にならないように、保存フォルダの中に早速保存した。
そして1ヶ月後、自分が彼に送信したメールがきっかけで私が再びとんでもなく驚くことになるなんて
この時の私には想像すらできていなかったんだ。