普段は口数が少なそうな彼がこんなにもたくさんの言葉を口にしたのを私は初めて耳にした気がする
ひとりぼっちじゃない・・って言葉
凄く心強いよ
日詠先生はそんなにも私と祐希の事を考えてくれているんだ
でも、なんでそんなに親身になって一生懸命考えてくれてるんだろう?
なんでかな?
もう少し聴いてみよう、また、彼自身に・・・
『先生、そんなに色々考えて頂いてありがとうございます。嬉しいです。でも先生はなんで、そんなにも私と祐希のコトを考えてくださるのですか?』
珍しくすんなりと出てきた私からの言葉を耳にした日詠先生は目を閉じた。
そして暫くしてから彼は小さく口を開いた。
「・・俺達は・・・・・」
音になりきってないそんな声を発しながら、彼は静かに微笑んだ。
さっきまで周りから聴こえてきていた雑音がすぐそこを神様が通ったかのようにすべて掻き消されていた。
そんな空気の中、彼はもう一度小さく口を開く。
「・・・兄妹だから。」
そういえば、日詠先生と私
兄妹だったんだっけ?
祐希のコトでバタバタしていたから、すっかり頭の中から消えていた
兄妹なら、もし本当にそうなら素直に日詠先生の好意を受けてもいいのかな?
彼の言う通り、無職で子育て経験のない私がひとりで祐希を育てていくのは大変そうだし
でも、私・・・・
日詠先生のコト、スキだった
ううん、違う
きっと、今も彼のコト・・・・・スキ
でも、兄妹だという事は
彼をスキになってはいけない?!
そんな状態で、そんな気持ちのままで一緒に暮らしていける?!
どうしたら、いいの?
しかも私、
祐希の父親である男にいとも簡単に捨てられてしまったから
男の人を信じるのちょっと、怖い
どうしたら、いいの?



