「とりあえず座ろう。」
そして私は彼に抱きかかえられながら一緒にベンチに座った。
そのまま私は暫くの間泣き続けていた。
その間も彼は何の言葉も発することなく、私を抱えたままの格好でいてくれた。
『・・・・・・・・』
あったかい
凄く、あったかいな・・・
もうこんなあったかさ、味わうコトはないと思ってた
アナタがいてくれて
アナタが傍にいてくれて
私はまた
救われたんだよ
日詠 尚史という
私にとってかけがえのないひとに
私はまた救われた・・・・
私は自分のものではない爽やかなグレープフルーツミントの香りに包まれながら、その想いを噛み締めた。



