ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋




「とりあえず座ろう。」

そして私は彼に抱きかかえられながら一緒にベンチに座った。
そのまま私は暫くの間泣き続けていた。
その間も彼は何の言葉も発することなく、私を抱えたままの格好でいてくれた。



『・・・・・・・・』


あったかい
凄く、あったかいな・・・

もうこんなあったかさ、味わうコトはないと思ってた


アナタがいてくれて
アナタが傍にいてくれて

私はまた
救われたんだよ


日詠 尚史という
私にとってかけがえのないひとに
私はまた救われた・・・・


私は自分のものではない爽やかなグレープフルーツミントの香りに包まれながら、その想いを噛み締めた。