私は誰に貰ったのかわからないその箱にかけられている黄色のリボンをゆっくりと解き、恐る恐る箱を開ける。
その箱の中には・・・・
以前、真里と一緒に初めてヘビー用品を買いに行った時に目を奪われたあの空色のベビー靴と同じ物が入っていた。
もしかして真里がコレを・・・・・?
でも、、男の人がコレを届けてくれたって言ってた
そういえば、手術着を着てたって・・・緑色の
ここの病院のお医者さんは青色の手術着を着ていたから
もしかして
もしかして
名古屋の・・・日詠先生?!
でもここは東京だよ
まさか、手術着のまま名古屋から来る訳ないよね?
空色のベビー靴を手に取り眺めてみると、靴の中にはそれと同じ色の空色のジクソーパズルのピースが1つだけ入っていた。
そのピースは皮革で作られており、”your baby ”と刻印されている。
それを見た私は急いでロッカーから自分の鞄を引っ張り出し、
その中に入れてあった ”reina” と刻印されている空色のジクソーパズルのピースを取り出した。
私の名前が刻印されたそのピースは母親から ”父の形見” として託されたものだった。
父親の形見・・・
それは父親の手作りの絵など描かれていない空色が塗られた皮革で作られたジグソーパズル
早速、私は自分のピースと ”your baby” と刻印されたピースを組み合わせてみた。
それらはピッタリと組み合わせることができ、空色の色褪せ具合もほとんど同じだった。
たった1ピースしか無かった父親の形見のジグソーパズルが
こんなところで
こんな形で現れるなんて・・・・
やっぱりあなたが名古屋から走ってきたの?
やっぱりあなたが私の兄なの?
私は手のひらの上で組み合わさった2つのピースを指でそっとなぞりながらそんなことを思わずにはいられなかった。



