頑張れDさん4

「いや〜まいりましたよ〜ネピオンさん」

「今日は何かな?」

この男Dさんは今日も私に電話してきた。

Dさんは、私が勤めている会社の協力会社の職人さんで、たまに私の会社の仕事をしてもらっていた。

「いや〜実はですね〜」

「うん」

「この前スマホになったじゃないですか〜」

(スマホになったではなくスマホに替えただろう)

「うん、うん」

「んで、嫁さんに没収されたじゃないですか」

「あ〜そうだったね〜」

Dさんは奥さんに内緒でスマホに替えたのがバレてスマホを没収されていたのだった。

「まぁ、あれから色々と〜」

「うん、色々と?」

「はい・・・肩揉んだり〜足揉んだり〜乳とか揉んでゴマすって〜」

(・・・乳ね〜)

「・・・・」

「でっ、やっとスマホを返して貰えたんですよ」

「なるほど」

Dさんはスマホを返して貰えた事が嬉しそうだった。

するとDさんの電話からMさんの良く通る声が聞こえてきた。

『ねぇ〜チョット〜』

「あっ!ヤベェ〜」

『ここに・・・を・・・置いたらダメと言ったでしょ〜』

「あっ、すいませんネピオンさん」

『チョット〜アンタ〜』

「また、かけます。」


Dさんは慌てて電話を切った。

(う〜ん)

私は首をフリフリ机に着いた。

「ネェ〜あなた〜」

リビングから私の奥様の声が聞こえた。

「?」

「ネェ〜作業着ここに脱ぎっぱなしに、しないでと何時も言ってるでしょ」

(あっ、忘れてた!)

「ネェ〜」

私は慌てて階段を降り作業着を片付けに行った。

「はい、直ぐに洗濯機の所に持っていくから」

「もう、まったく〜」

(・・・Dさんも耐えるんだ‼︎私の様にな・・・頑張れDさん)


         ・・・続く・・・