頑張れDさん‼︎第13話


DさんはM美さんの実家に付いて玄関の横のインターホンのボタンを押した。

「ピンポ〜ン♪」

「は〜い」

中からM美さんの、お母さんが可愛い声で返事をした。

「あっ、Dです。」

「あ〜〜はい」

M美さんの、お母さんは可愛い声から低い声にかわり返事をした。

「あっ、あのM美さんと話しさせて下さい。」

「・・・・」

そこに、M美さんの、お父様が玄関を開けてくれた。

「まぁ、玄関で話すのも何だから、とりあえず入りなさい。」

「はい、失礼します。」

玄関の中に入ると、そこにはM美さんの、お父様とお母さんが並んで立っていた。

Dさんは震える声でM美さんの両親に頭を下げた。

「あっ、あの〜すいませんでした。」

「・・・・」

少しの沈黙の後、M美さんの、お母さんがスマホの画面をDさんに見せた。

「これ、貴方ね!」

そのスマホの画面にはDさんに腕を絡めて肩に頬を付けニッコリと笑う女性とのツーショットの写真だった。

「・・・・はい」

Dさん、その写真に写っているのは自分だと認めた次の瞬間M美さんの、お母さんにビンタされた。

『ビシッ!』

「あっ痛っ!」

お父様は少しビックリした様子だったが、そのスマホの画面を見て一言言った。

「あちゃ〜」

「あちゃ〜じゃありません!」

「まぁまぁ〜とにかく上がりなさい」 

「はい」

Dさんは頬を押さえながらお父様とリビングに向かった。

「おい、D君、あの写真は〜マズかったなぁ〜」

「あ〜はい」

「もう少し・・・なんだぁ〜上手く・・・なっ!」

M美さんのお父様は小声でDさんに話していたらM美さんの、お母さんが目を吊り上げながら、お父様に言った。

「はぁ〜何が、もう少しですかぁ」

「あっ、いや〜〜」

「ったく、もう!」

リビングに入ると、そこにはソファーに足ん組んで座っているM美さんが居た。

Dさんは震える声でM美に謝った。

「あっ、あの〜済まなかった!」

「・・・・」

M美さんは黙ってDさんを睨んでいた。

DさんはM美さんの前に行き土下座して謝った。

「M美さん、すいませんでした。」

「・・・・」

その様子を見ていた、お父様が静かに話し出した。

「なぁ〜M美、その、とりあえず、話しを聞いてみたらどうかなぁ、」

「・・・・」

そこに、お母さんが割り込んできた。

「Dさん、貴方、この女と、どんな関係なの」←母

「まぁ〜まぁお母さん」←父

「お父さんは黙ってて」←母

「だから、ほら〜話し聞いてから、なっ」←父

「お父さんは甘いのよ!」←母


そして、M美さんはDさんに静かに鋭い声て聞いた。

「アンタさぁ〜」

『・・・・ゴクッ♪』

Dさんは固唾を飲んだ。

「アンタさぁ〜」 

「はっ、はい」

「この女とヤッタの?」

「いや、ヤッてないよ」

「ふ〜ん、信じられないんだけど」

「ヤッテないから、信じて下さい。」

M美さんは腕を組んだまま冷たく睨む


「ふ〜ん」

「あの、彼女は夕方から仕事だから〜」

「ふ〜ん」

「だからさぁ、その、HTBに行っただけだから」

「ふ〜〜ん」

「HTBに行って〜その〜」

Dさんは必死に言い訳をした。

「ふ〜ん、私はアンタにHTB連れて行って貰ってないんだけどなぁ〜」

「あっ、すいません、今度連れて行きます。」

「ふ〜ん、でっ、この女とキスはしたの?」

「あっ、いやまだ」

「はぁ〜まだ?」

「あ〜〜まだ、と言うかぁ〜すいません」

「アンタさぁ、お金どうしたの?」

M美さんの追求は続く

「あ〜あの〜この前パチンコで連チャンして」

「はぁ〜パチンコ〜んで幾ら勝ったの?」

「あ〜8万くらいかな」

「ふ〜ん、でっ!その金で飲み屋のネェちゃんとHTBに行ってきたと」

「はい、その通りです。」

「でっ、幾ら余ったの?」

「あっ、4万ちょいかな」

「ふ〜ん・・・でっ、残りはどうするの?」

Dさんは、パチンコで儲かった事を言った迄は良かったが金額を言った事はマズかった。

「あっ、あの〜どうすれば」

「出して」

「・・・・」

「出して」

「…はい」

Dさんは財布から万札を全てM美さんに渡した。

「まぁ、お金無ければ浮気なんか出来ないでしょ!」

「・・・・はい、すいませんでした。」

M美のお父様は必死に笑いをこらえていた。


「私は、他の女とHTBに行った事も許さないからね」

「はい」

「暫く頭冷やしなさいバカ‼︎」

「はい」

M美さんは、そう言って部屋に入って行った。

「すいませんでした。」

DさんはM美さんの両親に頭を下げて玄関に向かった。

「まぁ〜その、なんだ」←父

「・・・・」←D

「大輔君、しばらくは、なっ!」←父

「しばらくとはなんですか、しばらくとは!」←母

「いや〜まぁ〜なんだなっ!」←父

「まったく、この人は!」←母

「すいませんでした。」←D


Dさんは深々と頭を下げてM美さんの実家を後にした。



「とまぁ〜こんな感じだったんですよ〜」

「なるほど〜」

「しかし、大変だったな」

「まぁ〜」

「ところで、一つ気になったんだが」

「はい」

「どうして、パチンコで儲かった金額をバカ正直に言ったの?」

「あっ、あ〜〜」

「そういう時は半分くらいに言わなきゃ〜」

「あ〜〜〜」

Dさんは頭を抱えて悶えていた。

(やっぱアホだな)


      ・・・・続く・・・・