久しぶりにDさんから電話が掛かってきた。

「お疲れ様です。ネピオンさん。」

「お疲れ様」
(?今日は、会社の携帯からだな)

「いや〜まいりましたよ〜」

「・・・何がまいったの?」

「実はですね〜」

この男、Dさんは事あるごとに私に電話で相談してくるのだった。

「・・・今日は、何かな?」

「実はですね〜俺の携帯が嫁のMに壊されて〜」

「・・・壊されたって、どうして?」

「いや〜あの〜今朝ですね〜家から直ぐ近くのコンビニで〜」

「うん、コンビニで」

「はい、コンビニでですね〜彼女にメールしてたんですよ」

(彼女いたのかよ)

「・・・うん、それで」

「そしたら、嫁さんが来て〜」

Dさんは、何時もの様に、自宅近くのコンビニで弁当とコーヒーを買って車の中で彼女にメールをして仕事に出発するのが日課みたいなものだった。

Dさんは、何時もより彼女とのメールに夢中になり周りを警戒する事を忘れていたらしい。

「コン♪コン♪」

Dさんは、車の窓の音に気が付き外を見た。

「コン♪コン♪」

そこには、笑顔を浮かべてDさんを優しく睨み付けるMさんが立っいた。

Dさんは、恐る恐る車の窓を開けた。

「出して!」

優しく睨むMさんがDさんに手を差し出してきた。

「・・・・」

Dさんは、無言のまま携帯電話(ガラケー)をMさんに渡した。

Mさんは、携帯電話を受け取った。

Mさんは携帯電話の画面を一目見た後、両手で携帯を持って膝の上に叩きつけた。

「バキッ♪」

嫌な音と共にDさんの携帯電話は真っ二つになってしまった。

「フン!」

Dさんの奥さんは、真っ二つになった携帯電話をDに渡し無言で家に帰っていった。


「ア〜〜どうしたらいいですかねーネピオンさん」

「・・・う〜ん」

「とりあえず土下座ですかね〜」

「・・・う〜ん」

Dさんは、とりあえず土下座して謝ると言って電話を切った。

(笑顔で・・・真っ二つか・・・)

皆さんも携帯電話を真っ二つにされない様に気をつけて下さい。

      ・・・続く・・・