こうして、私たちは“友達”という関係から
始めることにした。
この頃はまだ予想もしていなかった。
本当の彼がこんなに甘々だなんて…

次の日いつも通り菜月と学校に行くと、
昨日友達になった成瀬くんと教室入って、
一番先に目があった。

「おはよ、菜穂」

「っっ…お、おはよ!」

うううう、呼び捨てだけでドキドキする。
友達になったけれど、友達というより
恋人よりの友達になっていて…

放課後、私は菜月と帰り道を歩いていると、
後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。

「菜穂」

「っっ…!成瀬くん!?」

「あ、じゃあ菜穂、先帰るわ」

「え、ちょ、えええええ」

結果、成瀬くんと帰ることになった。
でも、不安の反面嬉しいと思う私がいたり
する…
こんな恋、漫画以外あり得ないと思っていたのになぁ。

「菜穂、ごめんね。急に」

「う、ううん!私こそうまく話せなくてごめん
ね、ほんとに」

「ふ、菜穂と隣にいれるだけで幸せだよ」

どうしてだろう。
こんな言葉をかけられただけで、自分の大切
さを改めて理解して、明日もがんばろうって
思えるんだ。それは、成瀬くんのおかげで。

「ふ、ありがとうっっ!」

「っっ…!」

「ど、どうかした?顔赤いよ?」

「菜穂、耳かして」

「う、うん」

彼は手を引っ張り、私を引き寄せる。
そして私の耳元で囁いた。

「菜穂、可愛すぎる。」

「っっ…!」

神様、私の心臓はどこまで持つでしょうか?
教えて下さい!