|《ルビ》「俺とずっと一緒にいて」

私の恋は当然訪れた。
放課後の誰もいない体育館裏。私の前には
校内の女子を一目惚れさせる男の人。
真剣な目でこんな言葉を口にする。

「萩倉さん、俺とずっと一緒にいて?」

こ、これは…その…告白?

こんなことになったのは5分前こと。
いつも通り友達の宇佐美菜月と帰ろうと
玄関に向かい、靴箱を開けると中には
一枚な紙切れが入っていた。

“今日の放課後、体育館裏で待ってる”

紙切れにはそう書いてあり、行くか迷ったが
菜月に背中を押され、行くことにした。
だけど、まさかこんな自分が告白される日が
くるなんて、しかも同じクラスで人気者の
成瀬陽太くんに。


まず、一番先に聞きたいのは…

「ど、どうして、私なんですか?」

「…菜穂の可愛さにもう抑えられなくて
告白したんだ」

「………えええええええ!!」

自分で聞いて、自分で驚いている。
成瀬くんとはクラスメートという関係だけ
だったのに…

「ふ、反応も可愛いな…菜穂は」

しかもいつの間にか呼び捨て。
こんなイケメンの運命の人が私なの?
ありえない、ありえなすぎる。
嬉しいけれど、私は…

「ごめんなさい…
わ、私!まだ話したことない人とは…」

「じゃあ、お互いのことよく知ってから
返事お願いしていい?」

そっか…
彼にとったらただの告白…じゃないんだよね。
自分で言うのもあれだけど、本気の告白
かもしれないんだよね。
考えてなかった、告白する人の気持ち。

「う、うん!分かった!」

「ありがと」