ーー夏祭りの日。

篠原君から受けた衝撃の告白は、数日経った今でも頭から離れない。


小学生の頃、私をいじめていた朝日君は、篠原君だったという告白。


そして……


篠原君は、現在の私のことも気になっている……のだと言う。

好き……とは言われてないけれど、これ以上好きになる前に嫌われたいと思い、自分が朝日君だということを明かしたのだ。


それでも私は、篠原君のことを嫌いにはなれなかった。




結局あの日は、あれからすぐに香と松永君が来てくれた。

その後、なぜか香が私の隣から離れず、私は篠原君とそれ以上会話をすることはなかった。


その後、学校でも特別二人で話すことはなく、私と篠原君の関係性は何ら変わっていない。


学校で二人きりで話さないのは、私も彼も、話すことが得意ではないからかもしれない。意識すると、余計に話せない。

しかし、もう一つ理由があった。



「みーずほっ! 今日も一緒にお弁当食べよーっ!」



あの日以来、なぜか香が私を尋ねてうちのクラスまでやって来ることが多くなった。

香と話せることは勿論嬉しいのだけれど、今まで香がこんなに私にベッタリすることはなかったから、突然どうしたんだろうと毎日不思議に思っている。


「う、うん。でも香、最近私と二人でお弁当食べてばっかりだけど、クラスの子達と一緒じゃなくていいの?」