夏祭り当日。

部活が終わると予定通り、いったん帰宅し、おばあちゃんに浴衣を着付けてもらう。
その途中で香がうちへやって来て、私の着付けが済んだ後、今度は香が着付けてもらう。

小学生の頃から、お祭りの度にこうやって二人しておばあちゃんに浴衣を着付けてもらってきた。

私の浴衣は、白地にピンクの枝垂れ桜が描かれたもので、帯の色は黄色。香が着ているのは、パステルグリーンの縦模様で、紺色の帯。

香が着付けてもらっている間に、私は長い髪をアップで纏めた。学校に行く時はあまりしないけど、ヘアアレンジは結構得意だ。


香の着付けも終了し、二人でおばあちゃんにお礼を言った後、家を出た。

待ち合わせ場所は、神社の近くにあるコンビニだ。今から向かえば待ち合わせ時刻にちょうどいいはず。



歩いて約十五分。

コンビニに到着すると、私服姿の二人が入り口付近に立ち並んでいた。

二人とも、Tシャツにジーンズというラフな格好にもかかわらず、何だか立っているだけで画になる。

その証拠に、コンビニ付近を通り過ぎる女性達が、必ずといっていい確率でチラチラと二人に視線を向けていく。


「さっすが、男子バスケ部のモテモテルーキー」

香が放った言葉に、私もうんと頷いた。


「そう言えば、香はかっこいい人とか見ても、いつも興味なさげだよね」

「興味ない訳じゃないんだけど、私は年上が好きだから。同学年には興味ないかな」