午前の授業が終わり、お昼休みになった。

お弁当、一人で食べたくないなぁ……。


香が〝いつでもうちの教室来ていいよ。一緒にお弁当食べよう〟と言ってくれてはいるのだけれど、先日お弁当を持って香のクラスへ向かったところ、香が新しい友達と楽しそうにお弁当を食べているのを教室の外から見て……何となく声を掛けづらく、結局、香に気付かれないように自分のクラスへと戻った。


もちろん、香なら嫌な顔一つせずに私を輪の中に入れてくれるとは思うのだけれど、幼馴染みだからって、香に甘えすぎるのもきっと良くない。

そうだ。もしかしたらこれはチャンスかもしれない。
ピンチはチャンスって、よく言うし。

これを機に、クラスの男子と友達に……はなれないかもしれないけれど、普通に会話するくらいにはなれるかもしれない。

いつまでも男子を避ける生活は、相手にとっても自分にとっても良くないだろうし……。


よし。
私の席は、廊下側の前から二列目。
意を決し、私はその席から教室をぐるりと見渡し、一緒にお弁当を食べてくれそうな男子を探す……

けれど、やっぱり自分の席で一人で食事することにした。

さすがにいきなり男子とお弁当は、私にとってはハードルが高い気がした。


でもいつか、男子と友達になれる日が来たらいいな……とは思うようになってきた。



そんなことを考えながら、机の上でお弁当の包みを広げていた、その時。


「桜井さんっ」