それから数日……。


私はまだ、松永君に〝仲の良い友達〟に戻れるかどうかの返事をしていない。

松永君の方も、返事を急かしてきたり、一緒にお昼を食べようとはしてこなかった。


挨拶は交わすけれど、特別仲が良い訳でもない、普通のクラスメイト。

今の私と彼の関係性は、そんな感じだった。



その日、私は何となく裏庭で一人、お弁当を食べていた。

松永君のいる教室で一人でお弁当を食べることが気まずかった訳ではないけれど、彼から少し離れたいと思ったのも事実だった。

お弁当スポットとして、中庭は人気があるようだけれど裏庭は日当たりも悪いので辺りに私以外誰もいない。もの寂しい気もするけれど、考え事には丁度良い。
……と思ったら。



「よお」

なんと、篠原君が裏庭にやって来た。
購買で買ったと思われるパンを片手に持つ彼は、私が腰掛けていた縁石の隣に、間隔を開けて座る。


「え、篠原も今日はここでお昼食べるの? 偶然だね」

「んなわけないだろ。お前がこっちに歩いていくの見えたから」

「え?」

「松永と何かあった?」


この間、結先輩に聞かれたのと同じことを篠原君からも聞かれてしまう。私、大分分かりやすいのかな……。


「そ、その……どうしてそう思ったの?」

「……あいつが、中学の時からやたら自慢気に伸ばしてた髪をバッサリ切るなんてよっぽどのことがあったのかなと思ってたタイミングで、桜井が松永に対して今まで以上によそよそしいから」

「そ、そう……」

「まあ、言いづらいことなら無理にとは言わないけど」


言いづらいことには違いない。

でも……一人でずっと考えていても答えはなかなか出ない気もした。
私は男子の気持ちが本当に分からないから、そういう点でも篠原君に相談するのがいいかもしれないと思った。


「あのね……」

「うん」

「松永君に告白されたの」