その後、恥ずかしさを堪えながらメイド服を着たまま校門前で屋台のチラシを配った。
持っていったチラシは全てはけたし、私にしては頑張ったと思う。

それなのに、屋台に戻ってからもこのメイド服を脱いでもいい許可はおりなかった。



「校門前でチラシ配ってたみずほが可愛かったから来た、っていうお客さん多いんだよ。だから脱がずに、そのまま販売してくれ!」


と、さも当たり前のような言い方で松永君がそう言ってくる。


メイド服を着たまま販売⁉︎ チラシ配るよりも拷問なんだけど!


一応、弱々しく反論はしてみたものの、売り上げを伸ばすことに完全に意識が集中している松永君が、そんな意見を聞いてくれる訳がなかった。



「松永くーん! タピオカ買いに来たよー!」

「私もー!」

「篠原君はどこー?」


さっきから屋台には、松永君や篠原君目当ての女の子のお客さんもしっかり集まってきている。
私なんかがこんな格好しなくたって、松永君や篠原君がいれば繁盛するのでは?

それにしたって二人共、ホストの格好なんかしなくたって、ジャージ姿でじゅうぶんモテてるよなぁ……って、そう言えば篠原君はどこ行ったんだろう?

この時間は彼も屋台にいるはずだけど、さっきから見当たらない。

……一緒にタピオカ販売するの、楽しみにしてたんだけどな。まあ、こんな似合わない格好してる私となんて、篠原君は一緒にいたくないかもしれないけれど……。