それからーー。


今年のバスケ部は、あと一歩のところでインターハイ出場を逃し、三年生の先輩方は引退。

結衣先輩も例外なくマネージャーを引退したので不安や心細さはあるものの、今後も自分なりに精一杯、マネージャー業に勤しもうと思う。


期末テストは、特に危ういこともなく乗り越えた。
赤点があると夏休み中の補習に強制参加となり、部活に行ける日数が限られてしまうとのことだったけれど、篠原君も松永君も問題なかったらしい(松永君は英語が危うかったらしいけれど)。


そして迎えた夏休み。


お盆に入るまでは、基本的に毎日部活があった。
朝、部活へ行き、夕方帰宅、夜は夏休みの課題をやる。そんな毎日を過ごしていた。



お盆を過ぎてからは、それまでとは反対に、部活がある日は少なくなった。あったとしても午前中だけという日も多く、香と予定を合わせて映画を観に行ったり、一人で買い物へ行ったり、もちろん家で課題をやったり……そんな風に過ごしていた。


しかし、夏休みが終盤に差し掛かった頃から、松永君から頻繁に電話が掛かってくるようになった。


さすがに無視したりはしないけれど、最近は電話に出るのに少々困惑気味だ。

というのも、ほとんどがデートのお誘いだから。


松永君に対しては何の気持ちもないことは、ちゃんと本人にも伝えている。
それでも彼は、私に彼氏が出来るまでは諦めないということなのだろうか、こうして電話を掛けてきては一緒にどこかに遊びに行こうと誘ってくる。