「ねぇねぇ、りんご飴食べていい?」


それを誤魔化すように言った。


佐久間くんは特に反応を示さない。


...それはいいってことで良い?


私は佐久間くんを引っ張る形でりんご飴の屋台がある方に。


「りんご飴ください!」


優しそうなお兄さんにそう言い、出来上がるのを待つ。


「お姉さん、浴衣似合ってますね。」


出来上がりを待つ間、お兄さんにそう言われた。


良かった~。


もしかしたら似合ってないんじゃないかと思ってたから。


お兄さんに言われて少し安心。


「ありがとうございます!」


私がそう言うと何故か目を逸らされた。


そして、少し顔が赤くなったように感じた。


「顔赤いですよ?熱中症には気をつけてくださいね!」


私は出来上がりのりんご飴を受け取り、お金を渡した。


その時、佐久間くんがお兄さんを睨んでいたことも知らず。