すぐにエレベーターで1Fに降り、
待合室で自分の名前が呼ばれるのを待つ。
(ふぅ、間に合って良かった〜)
今日は代わりの人が担当だから、
迷惑かけないように、
なるべく平気に振る舞って早く部屋に戻ろう。
そう思ったのもつかの間、
最初は我慢していても、
しばらくするとまた咳が出てきた。
「ゴホッ..ゴホゴホッ」
(…これから診察なのに。少しの間だけ、お願いだから咳が止まりますように…!)
そんな思いで杏は
必死に咳を止めようとするも、
なかなか落ち着かない咳。
それどころか、
咳をするたび頭が少しクラクラする。
焦りを感じていると、
たまたまドア横の表札が目に入り固まった。
そこには診察を担当する
先生の名前が書いてあった。
担当:広瀬 蓮 先生
