隣にいたおじさんの肩が杏にぶつかった。


その反射で、杏は少しよろけ、
スポーツウェアの男性を軽く押してしまった。



「…すみません」



杏は謝りながらおそるおそる顔をあげると、
その男性は何も言わず杏を見下ろしていた。



「え…」