「知り合いもなにも、小さい頃からお世話になっている白石先生だよ」



二人はとても羨ましそうに杏を見つめる。




「で、映画行くの?行かないの〜?」



杏は痺れを切らしたように、
そう言いながらドアの外に出ると、


ナースステーションと反対側の
エレベーターに向かって歩き始めた。



せっかくのいい天気に、
じっとしてられる訳がない。


少しでも早く、外の空気に触れたかった。