「ハァ…」 すぐ目の前で聞こえた小さなため息。 こっちを見てないから余計怖い。 モデルのような整った顔の先生は、 横顔だけでも見惚れてしまうくらいなのに。 (迷惑かけちゃって、最低だよね私…) 自分でも本当に情けなくなる。 昨日の夜、何で入れなかったんだろう。 「ちょっとついて来て」 先生は私を診察室の奥に連れていった。 今まで入る機会もなかった、未知の空間。