先生は少し前かがみになると、
心配そうに杏の顔を覗いた。



「薬…」


そう小さく呟いたけど、
それ以上喋ることすら辛かった。


杏は目を閉じながら、ゆっくり首を振った。



「しんどいよね、ちょっと待ってて」



そう言うと先生は立ち上がり、
何かを持って戻ってきた。