A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


重たいカラダをゆっくりと起こして、
ベッドの端に腰かけた。


熱っぽくて、視界も少し霞んでいる。


(ここからいちばん近い自販機、どこだろう…)



杏はスリッパを履いて、
痛みが続く頭でドアまでたどり着き、


そこからふらふらと歩き出す。



いつもならすぐに行ける距離なのに、
今日はまるで時間がスロー再生されたみたい。


痛みを我慢してゆっくり歩くと、
倍くらい時間がかかった。


やっとのことで自販機にたどり着き、
ミネラルウォーターのボタンを押そうとした時だった。



「あっ…」