「このまま帰すわけにもいかないし、そっちの方が自分としても安心だから良かったよ」
そうやって、杏のことを
さりげなくフォローしてくれる先生。
先生の家に泊まるなんて、
想像しただけでドキドキが止まらない。
ーー急すぎる展開に、頭が真っ白になる。
「でも、先生に迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「迷惑なんかじゃないから大丈夫。着くまで寝てていいよ」
温かい車内で、
外から聞こえる微かな雨の音と車内のBGM。
心地よい揺れも合いまって
杏はしばらくしないうちに眠りに落ちた。
ーー先生の家に着いた頃には雨はだいぶ弱まっていた。
目の前に現れたのは、
いかにも高級そうなタワーマンション。
エレベーターに乗って先生の部屋に入ると、
そこは洗練されたデザインの
モデルルームみたいだった。
「まだ疲れてそうだし、しばらくこのベッドで休みな」
