杏はゆっくりと吸入を始めた。 最初は出続ける咳も、 だんだんと少なくなっていく。 深く呼吸をするたび、 息苦しさが解消されていくのを感じ、 杏は安心した。 (フゥ〜、よかった…) そんな杏を見ながら、 すぐ横のイスに座る先生。 なんだか少し真面目な顔をしている。 「今度は、俺から話してもいい?」 そのまま聞いてるだけでいいから、 と吸入を続ける杏に言った。