「先に呼吸をラクにするから、ついてきて」 そう言うと先生は杏を別の部屋に案内した。 部屋の隅にある窓から外を見ると、 雨は思ったより強く降っていた。 しばらくは止みそうにない雨を ぼんやりと眺める杏。 だいぶ気分は落ち着いたけど、 相変わらず咳だけが我慢できない。 息をするたび、胸に違和感が残る。 「ゴホゴホッ…ンンッ」 「ここ、おいで」 小さな機械の前に杏を座らせると、 先生は吸入器の使い方を説明をしてくれた。 「まぁ覚えてると思うけど、一応ね。」