「お前ら、目的を忘れんなよ。オレは、」
「わーってるよ。呪いを解く方法だろ?」

 仰向けのままアルさんが答える。

「俺だってなんかしら手がかり見つけてくれねーと困るんだ」
「万が一方法が見つかったとしても、断固阻止させてもらうがな」

 そう言ったのは勿論セリーン。
 ぎろりとそんな彼女を睨み上げるラグに苦笑していると、ふと気づいたようにアルさんが身体を起こした。

「そういやお前、本当に良い方法が見つかったらどうすんだ?」

(あ)

 それは先ほど森の中で考えかけたことだ。
 ラグは即答する。

「決まってんだろ。すぐにでもその方法でこの呪いを解く」
「だから阻止すると」
「てめぇは黙ってろ!」

 とうとう怒鳴ったラグに、アルさんはなんだか言い辛そうに続けた。

「いや、そうなると、もう例の金髪兄ちゃんを探す必要はないわけだろ?」

 どきりと胸が鳴る。
 イラついた様子で答えるラグ。

「そりゃあな。呪いが解けりゃあんな野郎に用はねーんだ」

 私の胸は更にざわついた。
 当然の答えだ。呪いが解けてしまえば、彼がエルネストさんに会いに行く理由は無くなる。

 アルさんがちらりと私を見た。

「じゃぁ、カノンちゃんはどうすんだ?」

 驚いたような青い瞳とぶつかる。
 でもそれはすぐにそらされて。

「……知らねーよ」

 その短い一言に、一瞬目の前が真っ暗になった気がした。