昨夜――私とラグが王子のお母さんに会いに行っている間だろうか。
いや、いつかなんてどうでもよくて。
「残るって、じゃあアルさんは私たちと一緒に行かないってことですか!?」
自分でその声の大きさに驚く。
アルさんは苦笑しながら頷いた。
「うん。……殿下をさ、もう少し見守ってやりたいなぁって思っちまって」
確かに、首謀者であるフィエールは捕まったものの派閥があったくらいだ。まだ城内に王子の敵は残っているかもしれない。
「でも!」
――でも、アルさんがいない旅なんて今はもう考えられなくて。
「せめてユビルスからの返答があるまでは護衛を続けようと思ってな。そこまで日数はかからないと思うし、すぐに追いつくからさ!」
いつもの明るい笑顔に戻ったアルさんを見て、思わずラグの方を振り返る。
止めて欲しかった。なのに。
「……勝手にしろ」
溜め息交じりにそう言って、ラグはくるりと背を向けてしまった。
初めからラグはアルさんの同行を嫌がっていたけれど。
「でも……」
ついさっきビアンカとお別れしたばかりで、更にアルさんともお別れだなんて。



