何度かラグが声を掛けるとブゥは伸びをするように翼を広げた。起きてくれたみたいだ。
ラグが小声で何か言うと、ブゥは彼の手の中から離れ、ビアンカの目の高さまでふわふわと飛んで行った。
お互い見つめ合っている様はとても可愛らしくて、思わず笑みがこぼれる。
同じように笑ったセリーンが言う。
「何か話しているのかもな」
「うん」
言葉がなくても同じモンスター同士。目と目で何か伝え合っているのかもしれない。
それから満足したのかブゥは戻って来てラグの頭に乗った。
いつの間にか私の隣にいたラグがビアンカを見上げ口を開く。
「長い間付き合わせて悪かったな。助かった」
それだけ言うと、ラグはビアンカに短く手を触れ、そして離れた。
(え?)
危うく声が出てしまうところだった。
それだけ……?
でもビアンカが優し気に目を細めたのを見て、あぁこれでいいのだと思った。



