My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4


 何度かラグが声を掛けるとブゥは伸びをするように翼を広げた。起きてくれたみたいだ。

 ラグが小声で何か言うと、ブゥは彼の手の中から離れ、ビアンカの目の高さまでふわふわと飛んで行った。
 お互い見つめ合っている様はとても可愛らしくて、思わず笑みがこぼれる。
 同じように笑ったセリーンが言う。

「何か話しているのかもな」
「うん」

 言葉がなくても同じモンスター同士。目と目で何か伝え合っているのかもしれない。
 それから満足したのかブゥは戻って来てラグの頭に乗った。

 いつの間にか私の隣にいたラグがビアンカを見上げ口を開く。

「長い間付き合わせて悪かったな。助かった」

 それだけ言うと、ラグはビアンカに短く手を触れ、そして離れた。

(え?)

 危うく声が出てしまうところだった。

 それだけ……?

 でもビアンカが優し気に目を細めたのを見て、あぁこれでいいのだと思った。