「そうか、サエタ港を使うのか」 セリーンも気が付いたふうに声を上げた。 私には全然わからないけれど、ラグもアルさんも理解したようだ。 「えぇ、ヴァロール港から船に乗れば、少しは距離が縮まるかと。――殿下」 見上げた先の王子があぁと頷き、崩していた姿勢を正した。 「船はこちらで用意しよう。そのくらいはさせてくれ。いつ頃出発する予定だ?」 「この後準備ができ次第、すぐだ」 ラグのいつもの迷いない声音に、王子の口がぽかんと開くのを見た。