セリーンの言う通り、アルさんが動けない今王子の護衛はラグしかいない。
ラグもそのことをわかっているのだろう、すぐにこちらに足を向けた。
すれ違いざま、彼は睨むような目つきで私を見下ろした。
「この部屋から一歩も動くなよ」
「う、うん」
私がまだ気まずいながらも頷くと彼はアルさんの方に目を向けた。
「あいつがまた落ちないように、しっかり見張ってろ」
「! うん」
私は頷いて、部屋を出ていく彼らを見送った。
扉が閉まると部屋の中は途端に静かになった。
小さく息を吐いて、私はすぐさまアルさんの元へ駆け寄った。
見下ろしたその顔色はやはり悪く、目も閉じられていて一気に不安になる。
「アルさん!?」
「ん、大丈夫。起きてるよ」
すぐに返ってきた声にほっとする。
でもやっぱりその声音にいつもの元気は無い。
「なんかやたら眩しくてさ、目開けてらんないんだ」
(眩しい?)
窓の外を見るがもう夕闇が近く、空はまだうっすらとオレンジ掛かってはいるものの、眩しいと感じるほどではない。



