My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4


 セリーンの言う通り、アルさんが動けない今王子の護衛はラグしかいない。
 ラグもそのことをわかっているのだろう、すぐにこちらに足を向けた。  
 すれ違いざま、彼は睨むような目つきで私を見下ろした。

「この部屋から一歩も動くなよ」
「う、うん」

 私がまだ気まずいながらも頷くと彼はアルさんの方に目を向けた。

「あいつがまた落ちないように、しっかり見張ってろ」
「! うん」

 私は頷いて、部屋を出ていく彼らを見送った。



 扉が閉まると部屋の中は途端に静かになった。
 小さく息を吐いて、私はすぐさまアルさんの元へ駆け寄った。
 見下ろしたその顔色はやはり悪く、目も閉じられていて一気に不安になる。

「アルさん!?」
「ん、大丈夫。起きてるよ」

 すぐに返ってきた声にほっとする。
 でもやっぱりその声音にいつもの元気は無い。

「なんかやたら眩しくてさ、目開けてらんないんだ」

(眩しい?)

 窓の外を見るがもう夕闇が近く、空はまだうっすらとオレンジ掛かってはいるものの、眩しいと感じるほどではない。