――どうすれば良いのだろう。どうするのが一番良いのだろう。
思った以上に王子は複雑な思いを抱えているようだ。
けれど、このままではアルさんも王様と一緒に呪いに呑まれてしまう。
アルさんはやはり苦しそうに浅い呼吸を繰り返していて――。
私はぎゅっと自分の胸元を掴んで、顔を上げた。
「ツェリウス王子、お母さんはどこにいるんですか?」
「え?」
「この国のどこかに住んでいるんですよね?」
「おい、」
ラグのイラついた声を遮り、私は言った。
「私が、お母さんを連れてきます」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…