極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「ですが無理はなさらないでください。……見つからなかったのなら、彼女との縁はそれまでだったと諦めますから」

「そのような結果にならないよう、尽力します」

 丁寧に頭を下げると、山浦さんは「十時からの会議の資料をお持ちします」と言いながら副社長室から出ていった。

 ゆっくりと立ち上がり窓のほうへ近づくと、昨日とは打って変わり、空はどんよりとした雲に覆われている。

 さくらちゃんと会わないほうがいいのだろうか。それとも会ってすべてを打ち明けて気持ちを伝え、気持ちに区切りをつけるべきなのか……。

 しかし、いくら商店街の人でもさくらちゃんたちの引っ越し先を知る人はいないんじゃないか? なによりそう簡単に、個人情報を教えてくれるとは思えない。

 もう一度会える確率は、低いかもしれないな。

「仕事をするか」

 今はとにかく、仕事に集中するべきだ。

 山浦さんから会議の資料を受け取り、時間まで頭に叩き込んだ後、会議室へと向かった。



 さくらちゃんとは、もう会えないかもしれない。そう覚悟を決めたものの、その日のうちに事態は大きく動いた。

「えっ……見つかったんですか?」

「はい」