極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「従業員が近くにいたら、さすがの彼女たちも良心が痛んで残せないでしょ」

「……そうでしょうか?」

 以前、洗い物をしている従業員の前で平気で残した食器を下げてきたくらいだ。私が近くにいるからといって、残さず食べてくれるような気がしない。

「私たちがフロアに出たら変に思われるし、お願いよ、さくらちゃん!」

 顔の前で両手を合わせてお願いされては断れない。

「わかりました。掃除をしながらさり気なく近づいてみます」

「よろしくね! 今日こそは残さず食べてくれるといいんだけど……」

 弥生さんに見送られ、いざ彼女たちがいる窓際の席へと近づいていく。

 太陽の光を利用してそれぞれ料理を写真に収めていた。他のテーブルを拭きながらチラッと料理を見ると、私でも食べ切れるか不安になる量が皿に盛られていた。

これは間違いなく今日も残すんだろうな。
昼休み中の弥生さんたちの話題は、早乙女さんたちのことになりそうだ。

 ふと、カウンターに目を向けると弥生さんをはじめ、他の調理員も早乙女さんたちのことが気になっている様子。

 意味がないとわかっても、近くから離れずにいると、次第に彼女たちの会話が耳に入ってきた。