ピーク時を過ぎ、閉店まであと四十分。調理と片づけ作業を並行し始める頃、一組のグループがやって来た。
「あ、やだ今日は来ちゃったかー」
弥生さんが落胆の声を上げた相手は、秘書課所属の女性社員五人グループ。華やかなスーツに身を包む彼女たちは、いわば勝ち組。それというのもうちの会社の秘書課は、優秀な者しか入ることができない高嶺の部署だから。
中でもあの五人は、専務秘書の早乙女(さおとめ)彩(あや)芽(め)を筆頭に、重役の秘書に就いている本当の勝ち組だ。
早乙女さんに関しては、美容家電メーカーの社長令嬢。それなのにうちの会社に入社したのは、早乙女さんの父親と、うちの会社の社長の弟で、村瀬さんの叔父にあたる専務の村瀬勝(か次(かつじ)と旧知の仲だからだとか。
すべて弥生さんから聞いた情報だけれど、社会勉強のために早乙女さんのお父さんが、娘をうちの会社で働かせてくれないかと、専務に頼み込んだらしい。
噂の信憑性を増すように、早乙女さんは専務の第一秘書を務めているし。
そんなことを思い出していると、弥生さんに手招きされた。
「なんでしょう?」
カウンター越しに近づくと、「もっとこっちに来て」と言われる。
言われるがまま身を乗り出すと、弥生さんは私の耳もとに顔を寄せた。
「あ、やだ今日は来ちゃったかー」
弥生さんが落胆の声を上げた相手は、秘書課所属の女性社員五人グループ。華やかなスーツに身を包む彼女たちは、いわば勝ち組。それというのもうちの会社の秘書課は、優秀な者しか入ることができない高嶺の部署だから。
中でもあの五人は、専務秘書の早乙女(さおとめ)彩(あや)芽(め)を筆頭に、重役の秘書に就いている本当の勝ち組だ。
早乙女さんに関しては、美容家電メーカーの社長令嬢。それなのにうちの会社に入社したのは、早乙女さんの父親と、うちの会社の社長の弟で、村瀬さんの叔父にあたる専務の村瀬勝(か次(かつじ)と旧知の仲だからだとか。
すべて弥生さんから聞いた情報だけれど、社会勉強のために早乙女さんのお父さんが、娘をうちの会社で働かせてくれないかと、専務に頼み込んだらしい。
噂の信憑性を増すように、早乙女さんは専務の第一秘書を務めているし。
そんなことを思い出していると、弥生さんに手招きされた。
「なんでしょう?」
カウンター越しに近づくと、「もっとこっちに来て」と言われる。
言われるがまま身を乗り出すと、弥生さんは私の耳もとに顔を寄せた。



