極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「それじゃ、おやすみなさい」

「おやすみ」

 寝る挨拶をして自分の部屋に入ると、そのままドアに寄り掛かってしまう。

「私と村瀬さんは、どうなるのかな……」

 フラフラとした足取りでベッドに向かい、うつ伏せになって枕に顔を埋めた。

 でもこのまま村瀬さんとの関係を終わりにしたくない。彼が中国から戻ったら、どうにかして店を畳むことにした経緯を話して、それで……約束通り、村瀬さんとデートがしたい。

「なにかいい方法を考えよう」

 村瀬さんが戻ってくるまで、まだ一ヵ月以上あるのだから。

 瞼を閉じると一気に睡魔に襲われ、深い眠りに就いた。


 それから一週間が過ぎ、店を畳むまであと十日と迫ったこの日。昼時を迎えると、社員食堂は瞬く間に席が埋まっていき、厨房は大忙し。

 私はいつものようにフロアに出て、料理の減り具合いをチェックしながら、それを調理員の弥生さんたちに伝えていく。

 すべてセルフとなっており、布巾でテーブルを拭くところまでお願いをしているけれど、残念ながら綺麗にして席を立つ人は少なく、汚れたままのテーブルを掃除しなくてはならない。