極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 寂しい気持ちを払拭して言うと、ふたりはびっくりしながら顔を見合わせた。

「え、なに? その顔。もしかして私に反対されると思ったの?」

 疑いめいた声で聞くと、お父さんは面白いくらいに狼狽え出す。

「いや、その……。まぁ、そうだな。会社勤めした後に手伝ってくれるくらいだ。さくらにとってうちの店は特別だろ? だから父さんたちの事情で閉めることになり、申し訳なくて……」

「さくらはこの商店街に育ててもらったものだしね。私たち三人の中で一番愛着があるでしょ? ……本当にごめんなさい」

 お父さん、お母さん……。

 ふたりの話を聞き、泣きそうになるのをグッとこらえた。

「謝らないで。本当に感謝しているの、お店があったから私は商店街のみんなと出会って、多くのことを経験することができたんだから。それにうちのお店はお父さんとお母さんのもの。続けるのも閉めるのも、決めるのはふたりだよ。……なによりたくさん話し合って決めたことなんでしょ? 反対なんてするわけないじゃない」

「さくら……」

 ポツリと私の名前を呟くと、徐々にお父さんの目が赤く染まっていくものだからギョッとしてしまう。