極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「同じ男として言わせてもらえば、なんとも思っていない相手にあんなことはなかなか言えないもんだぞ? 安心しろ、さくら! 脈ありだぞ、こりゃ」

「そうよね、私もそう思うわ」

 勝手に盛り上がるふたりに呆れてしまう。……でもいつものように否定することができない。だって私も少しばかり期待しているから。

 私の努力次第で村瀬さんとの関係が変わると、会えない二ヵ月間は夢見ていてもいいよね。
 そうしたら二ヵ月なんて、あっという間に過ぎそうだ。

「もう、ふたりとも! とっくに閉店時間は過ぎているんだよ? 早く片づけないと」

 いつまでも私と村瀬さんの話で盛り上がるふたりに割って入り、ひとりでさっさと閉店作業に取りかかる。

 だけど心の中は裏腹に希望と喜びでいっぱいだった。



 二日後、村瀬さんは中国に発った。副社長が二ヵ月間不在になるという噂は瞬く間に社内中に知れ渡り、食堂を訪れた女性社員からは、落胆の声が多く聞かれた。それは弥生さんたちも同じ。

 毎日のように『私たちの癒しがいないのはキツイ』とか、『王子様不足で、仕事にならない』とか話している。

 みんなの話を聞きながら、私はこれまでと変わらない生活を送っていた。……いや、以前にも増して仕事に精を出しているかも。