極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 こうやって色々なことをひとつひとつ覚えていってほしい。

 涙を拭い、小さな勇気の手を握った。

「行こうか、パパもみんなも心配してる。それと勇気、さっきの話をパパにもしてくれる?」

「うん! わかったよ」

 数年越しに叶った私たちの結婚式。多くの参列者の中には、専務の姿もある。大切な人たちに見守られ、私たちは家族としての新たな一歩を踏み出すんだ。

「それでは、誓いのキスを」

 牧師の言葉に彼と向き合うと、ゆっくりと捲られたベール。

 見つめ合う私たちを見て、壇上の下、誠司さんとお揃いの黒のタキシードを着た勇気が大きな声で叫んだ。

「あー! パパとママ、チューしようとしてるー! ずるいんだよ、パパ。いつもママにチューしているんだ。僕だってママにチューしたいのに」

 天井が高い教会内では、勇気の声が非常に通る。

 厳かな空気の中進んでいた挙式は、一気に笑いの渦が巻き起こった。

「勇気とも一緒に誓いのキスをしようか」

「そうですね」

 誠司さんはお義父さんとお義母さんと一緒にいた勇気を迎えにいき、戻ってくると抱き抱えた。