やはり迷惑だった? 正式に籍を入れていないのに、妊娠したなんて。

 どう思っているか聞きたいけれど、怖くて聞けない。だけど少しして私は村瀬さんに力いっぱい抱きしめられた。

「どうしよう、さくら。すごく嬉しい」

「――え」

 嬉しい……? 本当に?

「ありがとう。……本当にありがとう」

 涙声で何度も「ありがとう」と言われ、止まった涙が再び溢れ出る。

 喜んでくれているんだよね? 迷惑に思われていないんだよね?

 まだ確信を得ることができなくて、そっと尋ねた。

「いいんですか? まだ結婚していないのに……」

 聞いた瞬間勢いよく離れると、力強い瞳を向けられた。

「いいもなにもない。ただ、順番が違うだけだろ? さくらと結婚したいと思った時から、子供が欲しいと思っていたんだ。……俺とさくらの子供だ。可愛いんだろうな。今から生まれてくるのが楽しみでしかたないよ」

「村瀬さん……」

 笑顔でそう言ってくれた彼に、とめどなく涙が溢れて止まらない。

 喜んでくれると思いながら、早乙女さんに言われて心が揺れて不安だった。だから本当にホッとしたし、喜んでくれて嬉しくてたまらない。

 泣き続ける私の涙を拭いながら、村瀬さんは疑いめいた声で聞いてきた。