極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 優しくされればされるほど、切なくなるばかり。いつもだったら電話をしたらずっと話していたくなるほど楽しいのに、今は彼と話しているのがつらい。

「すみません、今日は早くご飯を食べて寝ようと思います」

『あぁ、それがいい。薬は家にあるのか?』

「はい。軽くなにか食べて薬を飲んで早く寝ますね」

 電話を切りたい一心で早口で捲し立て、「また連絡します」と告げ、通話を切った。

「ごめんなさい、村瀬さん」

 通話の切れたスマホに向かって漏れた声。

 風邪なんて引いていないのに嘘をついて、心配かけてしまい、ごめんなさい。

 目に溜まっている涙を拭うと、お腹が鳴った。

 こんな時でもお腹が空くんだと思うと、なぜか笑えてしまう。

 もしかしたらお腹の赤ちゃんが、こういう時こそしっかり食べて元気を出せって言ってるのかな?

 でも今から作る気にはなれず、なにか買ってこようと思い、商店街にあるお肉屋さんに向かった。

 そこでコロッケを買い、帰りに八百屋に立ち寄ってサラダ用にトマトとレタス、きゅうりやパプリカを購入。

 商店街のみんなと話をして元気をもらい、そして冷静になることができた。