極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「あなたたちもこちらにいらして、彼女とともに謝罪してください。……皆さんが、心を込めて作ってくださった料理を故意に残すなど言語道断。早乙女さんの振る舞いはもちろん、それを止めなかったあなたたちも同罪です」

 すると彼女たちも席を立ち、俯いたままこちらに来て早乙女さんと並んだ。そして山浦さんに促され、次々と私と弥生さんをはじめ、厨房にいるみんなにも謝罪していく。

 よかった、これで問題は解決しそうだ。弥生さんに対してもお咎めはないだろう。でも……。

「よそった料理は、しっかりと休憩時間内に完食するように」

 早乙女さんたちにそう言うと、彼女たちを席に戻し、最後に山浦さんは私たちに目を向けた。

「猪狩さん、皆さん。この度は誠に申し訳ございませんでした」

 そして深々と頭を下げる山浦さんに、私も弥生さんも恐縮してしまう。

「頭を上げてください」

「そうですよ! ……でも、今後は彼女たちに同じことを繰り返さないよう、きつく言ってください」

 チクリと言うと、弥生さんは「厨房の片づけを手伝ってくるね」と言い、去っていく。

 ふたりっきりになった場で、私は改めて山浦さんに感謝の思いを伝えた。

「ありがとうございました。山浦さんがいなかったら、弥生さんがどうなっていたか……。お手数おかけいたしました」

「いいえ、悪いのはうちの者ですから」

 そう言うと山浦さんは周囲を見回し、声を潜めた。