極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「本当に無理しないでね。フロアにも今日は私が出るから」

「え、そんな……大丈夫ですから」

 おそらく今日も早乙女さんたちが来るだろう。それなのに弥生さんにフロアに出てもらうわけにはいかない。

 だけど弥生さんは人差し指を立てて、私に言い聞かせるように言う。

「いいから、こういう時くらい甘えなさい。……大丈夫、あの子たちが来たら私がガツンと言ってあげるから!」

 最後に自分の胸を叩いて威勢よく笑いながら、弥生さんも持ち場に戻っていった。

 弥生さんは大丈夫だって言うけれど忍びない。……でも。
 光美に言われた言葉を思い出す。

 早乙女さんが来るまではフロア、お願いしてもいいかな? せっかく弥生さんが言ってくれたんだもの、甘えてもいいよね?

 本当、私って恵まれているよね。さっきもみんな心配してくれて……。周囲の優しさに改めて感謝しながら調理に取りかかった。



 無事に料理も出来上がり、今日も十一時半のオープンと同時に多くの社員が詰めかけ、席はあっという間に埋まっていく。

 みんなに気遣われ、追加の注文や下げられた食器がくるまでの間、椅子に座らせてもらった。