極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 おじいちゃんは退院したばかりで疲れているらしく、まだ寝ているようだ。

 挨拶もそこそこに私と村瀬さんが隣同士で座り、向かいにはお父さんとお母さん、そしてお誕生日席におばあちゃんが腰を下ろした。

 するとさっきまでの和やかな雰囲気が一変。私と村瀬さんはもちろん、両親も緊張した面持ちを見せる。
 そんな中、先に口を開いたのは村瀬さんだった。

「改めまして、本日はお時間を作っていただき、ありがとうございました」

 丁寧に頭を下げる村瀬さんに、両親は恐縮してしまう。

「いいえ、そんな」

「そうですよ、頭を上げてください」

 お父さんに言われるがまま顔を上げると、村瀬さんは名刺入れから一枚取り出し、ふたりの前に差し出した。

「自己紹介遅れました」

 村瀬さんに渡された名刺を見た途端、ふたりは目を丸くさせた。

「ムラセって……えっ!? たしかさくらの勤め先の大企業……そこの副社長ですか!?」

 名刺と村瀬さんを交互に見る両親に、彼は困った顔で頷いた。

「はい。……父が社長を務めている会社になります」

 そこまで言えば彼が後継者と理解できたようで、お父さんもお母さんも言葉が出ない。
 やっぱり驚くよね。私だって最初知った時は、びっくりしたもの。