極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 彼を誘導しながら家のほうへ向かっていると、勢いよく玄関のドアが開いた。姿を見せたのは、お父さんとお母さんだ。

「いらっしゃい。遠いところをすみません」

「村瀬さん、運転お疲れ様でした。どうぞ上がって」

 やはり両親は大歓迎で、待ち切れず玄関から出てくると、娘の私なんてそっちのけで村瀬さんはグイグイ家へと招き入れる。

「えっ……あの」

 村瀬さんが戸惑っていても、お構いなし。電話で相当大喜びしているとは思っていたけれど、これは想像以上のようだ。

 村瀬さんには気の毒だけれど、こうなると私には両親を止められそうにない。なんせお客として弁当屋を訪れていた頃から、両親は村瀬さんのことを気に入っていたのだから。

 チラチラと私を見る村瀬さんに、「すみません」と言うように顔の前で手を合わせながら、三人の後に続いて家に入った。

 久しぶりに訪れたおじいちゃんの家は、懐かしい匂いがする。私の好きだった匂いだ。
 長い廊下を進んでいくと、ギシッと時々床が軋むのも変わっていない。

 奥にある居間には、お茶の準備を終えたおばあちゃんがいて、村瀬さんは両親同様、おばあちゃんにも「さくらってば、面食いねぇ」なんて言いながら、大歓迎をされた。