極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「どうしてよ。やだ、もしかして結婚を考えている相手でもいるの!?」

「いるわけないだろ!?」

「だったらそんなムキになることないじゃない」

 反撃に出た光美に、大は途端に口籠る。

 いつもだったら、ここで私が間に入って光美を宥めるところだけれど、今は大をフォローする余裕などない。

 とにかく一度落ち着こう。まだ既読ついていないし、メッセージを削除すればいいんだ。
 震える手を一度ギュッと握りしめ、削除ボタンを押そうとした瞬間、パッと画面に浮かんだのは〝既読〟の文字。

「嘘でしょ……」

 再びスマホを見つめたまま、微動だにできなくなってしまった。




「大丈夫だよ、さくら。たまたまメッセージを見た後に、急な仕事が入ったとかで返信できない状況なんだよ。相手は大企業の副社長だぞ? まだ勤務中かもしれないし、だったら頻繁にスマホを操作できないだろ?」

 隣を歩く大に必死にフォローされるものの、うんともすんとも言えない。

 村瀬さんが私のメッセージを見てから一時間、いまだに彼からの返信がないのだから。

 そうなると、どうしてもマイナスなことばかり浮かんでしまう。たとえば連絡を取らなかった十日の間になにかあり、やっぱり早乙女さんと結婚することにしたとか、待たせすぎて愛想尽かされたとか……。

 次々と頭に浮かぶ負のパターン。それは今も続いている。